2011年2月4日金曜日

Sui Generisとしてのヨーロッパ共同体

ヨーロッパ統合によって生み出されたEUという政治経済共同体は、その法的・政治的性格が歴史に例を見ない、それ独自の政体という意味でしばしばSui Generisという形容詞が付けられる。そういう風に自分もかつて講義したこともある。政府間の合意だけで動いている組織ではないし、だからと言って、一個の主権的共同体でもない、その中間的というか融合的な共同体としてしか説明できない、という意味で、EUはSui Generisだ、と。

それ自体が固有の政体、という説明では説明になっていない、という批判も聞かれるのだが、一体このSui Genersiという形容詞は、誰が最初に使いだしたのだろうか。誰かご存知の方がいれば是非教えてほしい。いや、教えてください。

というのも、今週、日本語で書いている論文(コミトロジー史ではないテーマ)に関係する史料(1950年代)を読んでいたら、史料の中にSui Generisという用語が出てきたからだ。しかも、その意味は上記のような意味とはやや違う。全く違う訳ではなく、エッセンスとしては同じだとおもう、しかし、それによって何を説明しようとしているかどうかがだいぶ違う。その違いがとても興味深い。

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