2010年9月6日月曜日

バビロンへの帰還

アパートを決めホテルを出た1日の朝のレジストレーション以降、事態は思わぬ方向に転んでしまった。Visaの取得の必要について、自分の要求がどうも説明不足だったことと自分の担当者の知識不足が合わさって、レジストレーション自体がストップ。にも拘わらず、とりあえず、1日夜のウェルカムパーティーと、自体が好転することを望んで、その時のためにも英語とイタリア語のコースに出席する。日本人以外の若手研究者達が、自分をColleagueとして受け入れてくれるという、これまで全くなかった経験だった。それにひきかえ、自分のオーガナイズ能力の無さはなんというべきか。
いろんなやり取りを経て、かなり絶望的な状況の中金曜日に帰国。正常な判断能力を完全に喪失して空港から自宅まで4時間も時間を取ることとなる。
そして勝負の週明けの今日。Definitiveな答えは得られなかったが(基本的に話が複雑すぎて担当者が誰も分かっていないし、よくあるたらい回しを経験)、予想されていた状況そのもの(or lesser)。おそらく、あのフィエゾレの丘の上に帰るためには、家族が帰国するか、妻が一時帰国して新しくビザ取り直し→滞在許可取り直し、しかない。いずれにせよ、すぐに帰ることはできない選択肢である(前者は引っ越しの手配が必要だし、後者は一カ月から二カ月くらいかかるのは目に見えている)。

いったい自分は何のためにここに来ているのか。しかし、自分を呪う暇があったら論文の一本くらい読むのが本当の研究者というもんであろう。そういう意味で、僕は研究者失格である。

2010年9月1日水曜日

部屋を決める

昨夜のスカイプでもうちょっと探してみたら、という話だったので改めてデータベースを調べたが、近場で昨日の物件以上の条件のものは一つか二つしかなかった。データベースの表示は実際にAvailableとは限らないこと、今日の午前中は語学コース登録のためのテストがありはずせなく、動けるとしたら午後以降になること、たぶん別の人があの物件を見れば気に入る人がでてもおかしくなく、返事をのばしていると結局取られてしまう可能性がありそれは避けたいこと、今いるホテルにはあと一日しか居れないこと、などをいろいろ考えると、やっぱりあの物件に決めた方がいいだろうと、朝起きて改めて思い、9時過ぎにハウジングサービスにつくと、昨日のおねいさんに話してあれを借りることを話す。そこで彼女が電話してみたのだが、どうも大家さんは電話に出ない。こっちも語学コース説明会があるので、コンタクトを取って今日中に荷物だけ移動したいこと、今夜はホテルに泊まること(すでにお金を払っているのでもったいないしなによりすぐにはネットにつながらない)を伝えてもらうことにする。
語学コースの説明会に行くとすでに始まっていた。周りをみるとたぶん博士課程の人が中心のためか非常に若い印象。というか、ひょっとすると自分が一番年寄りかも知れない(見た目の頼りなさは博士課程級だと思うが)。語学コースは自分が想像していた以上に本格的で、こんなのを取っていては自分の研究がその期間中進まないことは間違いがない。とはいえ、この国にすむというのにその国の言葉ができずに英語で済ますというのは屈辱以外の何物でもないし、この機会に英語の力を上げないと(というかどんなに上げても)たぶんこの先一生英語に苦手意識を持ち続けるだろう。
そう自分に言い聞かせて、9月の間、イタリア語と英語のインテンシブコースを取ることに。
しかし英語の登録のためにはテストを受けなければならず、そこで待っていてと支持されて部屋の隅っこで待っていると、おじさんに呼ばれて、氏名や所属先を聞かれるといきなり「これまでの研究内容を話してくれ」とのこと。まじですか。日本語ですら明晰でないくらいごちゃごちゃしているのに。でもなんとか話し始めるが、案の定、途中で言葉がしばしば出てこなくなる。でも、これがセミナーとかだと赤面ものだが、英語のレベル分けのためのインタビューなのだから、こういう表現ができないと分かってもらえるのもよいことと腹をくくる。その後筆記テスト。選択問題が60問くらい?その後、新聞記事を読んで自由にショートエッセイ(200字から250字)を書け、というもの。
テストを受けるなんて、しかしたぶん十年ぶりくらいではないだろうか。終わった後ひどく疲れる。そうか、こんな苦労を私は人に強いていたのか。これからはちょっと優しい人間になろう、とはあまりおもわなかったが、とりあえずハウジングサービスに戻って例のおねいさんに聞いてみると、無事コンタクトが取れ、部屋を借りる了解を得たとのこと。これでようやく安心でき、ゆっくりお昼でも食べようかと食堂に行くと、想定内というべきか、Iさん御夫婦がだれかとおしゃべりされている。近寄ってごあいさつ。その後Iさんたちとお昼を食べて、Cocide fiscaleを取りに行き(本当にあっという間に取れてびっくりだが、掛りのおばさんがいい加減そうで助かった。すぐ後に取りに来たアメリカ人らしき学生は、きびしそうなお兄さんが掛りで、イタリア語ができないと思われる彼に通訳のように別の窓口の人が来ていろいろ話を聞かれていた)。その後、もう一度、荷物を置きに、昨日の家へ。家に着くと、今度は大家のおばあさんの娘(か息子)と結婚した人の母親という人が家に来ていた。フラン語がペラペラだったので、たぶん通訳として来てもらっていたのだろう。で、この人が大家さんに輪をかけて感じがよい気さくな人で、知り合いに日本人がいるから電話するから、と言っていきなり電話をかけて、ほら、と言って携帯を渡してもらう。で、大家さんとこのアンナさんという方と20年来の知り合いという日本人の方を話をすることになったのだが、開口一番、「いいところを見つけられましたね」とのこと。たしかに。頼りになる方を紹介してもらって本当に助かった。
で、ホテルに戻って食事をして家族とスカイプ。なるほど、これは便利なツールだわ。時差がないから尚さら便利。
で、明日はレジストレーションその他。研究そのものではないが、これをすっとばすわけにはいかないので心していきたい。

部屋決め

昨日は部屋決めのため朝から夕方までEUIのハウジング・サービスで電話、アポ取り、下見へ直行、大学帰還改めてアポ取り、再度下見へ、というのを三度繰り返す。三回、というのは少なく感じるかも知れないが、どの場所へもバス+徒歩でしかアクセスできず。たぶん全部合わせると4時間くらいは歩き回っただろうか。ただ一つ言えるのは、アポ取りはハウジングサービスの人が代行してくれるので大変楽かつスムーズに事が進む。こんなの、普通では考えらず、ここの組織の力の凄さを改めに身にしみると同時に、本当にありがたく思う。
最初の部屋は、Le Cureという地区(の奥まったところ)でこれまで行ったことがなかったが、行ってみると、なんというのか、実に侘しい地区で、出てきた大家さんはフランス語が堪能なのはいいのだけど、どうも合わないというか、最初に某仏国に留学した時にホームステイした時にすごく大変な思いをしたマダムを彷彿とさせる人で、どうも乗り気になれない(条件としては、電話+ネット込み25平米で500(光熱水道費除くでそんなに悪くない)。それと、Badiaには徒歩となるのだが、ものすごい坂でこれを毎日通うのはちょっとへこたれそう。二回目は、反対に、ベッキオ橋の向こうの坂をこれまた10分以上上ったところ。部屋自体は悪くない。しかし、この坂を毎日上り下りするのかと思うと、これまたちょっと体力に自信が持てない。三回目は、あまりに効率の悪さと二度も戻ってきてはイマイチという文句を垂れるジャポネーゼ(って自分では言ったつもりがないのにどうしてちゃんと認識されていたのだろうか)に呆れたのか、面倒を見ててくれたおねいさんがデータベースを一軒一軒あたっては条件に合いそうな物件をリストにして、それに自分が順番を付けて、一番目からまとめてアポ取りするやり方に帰る。10個物件をリスト化して全部電話してくれたが、留守だったりすでに借りられたりしていて、アポが取れたのは2件だけ。この時点ですでに16時で雨も強く降り始める。くじけず最初のアパートに行くが、それらしき名前のベルを押しても返事がない。3回くらい押して初めて返事らしきものがあったので、へたくそなイタリア語で自己紹介をしたがブツリと切られる。おいおいと思いつつも、少し間を開けて何度もベルを鳴らすが返答なし。諦めて次の最後の物件へ。バスに乗って移動してみると、外観は一軒家に近い感じでベルを鳴らすとガチャっと扉があく。開けてみると赤絨毯がひいてある重みのある内装で、木の階段の上の二階(こちらの一階)からすごいお婆ちゃんが手招きしている。話してみると、どうもイタリア語しか話せないみたいだ。フランス語は聞けば理解できなくはないが話せない様子。しかしとにかく部屋を見せてもらうと、これがびっくりするくらい広い。決して新しくはなくまたしばらく(たぶん一年以上)人が住んでいなかった感じだが、十分すぎるくらいの広さ。書斎、寝室、台所(食卓)がそれぞれ独立していて、そのどれもが広いのである。45平米と聞いていたが、どうみても50以上はある。狭いのはトイレ兼シャワーくらい。でも独り身なのでまあいいだろう。で、このおばあさんがとっても感じがよい。80歳はゆうにこしてる雰囲気だが、大変話しやすい(と言っても彼女のしゃべるイタリア語はほとんど分からないし、途中から地上階に住んでいるというアジア系の女性が入ってきて(お手伝いさん?)、英語ができる彼女を介して会話する感じに。まあこっちもほとんどイタリア語ができないので私とイタリア語で会話するというのは諦めたみたいだ)。明日返事をするということでお別れをする。家をでると雨はやんでいる。大体6時を少し回ったくらい。
夜はホテルで初めてのスカイプに挑戦。家に残してきたLogitecのカール・ツァイス製Webカメラは至極性能がよく、同じ画素数の某エ○レコムのウェブカムよりはるかに映りがよい。初めて日本製よりいいヨーロッパ製品にめぐり合う。
QLOOKアクセス解析