2011年1月20日木曜日

ロンドンへ

今日から3日間だけだが、ロンドン郊外のThe National Archives(TNA)で史料調査。大陸ヨーロッパの移動に慣れているが、イギリスはこれで二回目だけど、街中で堂々と英語を使うというのは、自分にとっては不思議な感覚。

それと、大陸ヨーロッパでもそうなのだが、国境を超えると陸続きなのに微妙に風景が異なるようになるのは、いつ体験しても自分の感覚を揺さぶられる。今回はフランスからイギリスへの移動だが、ユーロスターなので、なんとなく陸続きっぽい感覚があった。

イギリスは大陸ヨーロッパのどこの国よりも都市インフラがしっかりしていて、何気ない都市の近代性が日本に近い(正確にいえば、日本がイギリスやアメリカの近代性をそのまま日本に植え付けているのだろうけど)と思う。たとえば、駅にくっ付いているいくつもの商業施設が集まったアーケードはフランスをはじめどこにでもあるけれど、全体的に醸し出す雰囲気はイギリスのが日本に一番近いと思う。客がお金を出すのだから客はサービスを受けて当然だし出来るだけ客にお金を使ってもらうように努力しよう、という感覚がイギリスからは感じられるが、フランス・イタリアからはあまり感じられない。

ところで肝心のTNAでの調査は、コミトロジー史に関するものだが、手探りでやっているので、どういう史料を読めばいいのかまだつかめない。今日探した史料は、一瞬ドンピシャかと思ったけど、どうも読み進めると違うような感じなのだが、まったく関係ない訳でもなさそうなので、これはこの先も苦労しそう。同時並行的に日本語で執筆予定の、ややベタな外交史的テーマでは、簡単に史料が見つかるのに。まあ、コミトロジー史は自分が慣れ親しんだ外交史でも国際政治史でもない手法なので、Methodology的にはチャレンジングだということにしておこうと思う。


若干、奈良の大仏殿のようなTNAの外観


*旅のメモ的には、ユーロスターのダイニングカーではオイスターカード(ロンドンの公共交通機関を利用できるSuicaみたいなカード)が売っていた。地下鉄の窓口に並ぶのも面倒なので買いに行くと、対応した女性の店員さんがなんと日本語がしゃべれる人(たぶんフランス人と日本人のハーフ)だった。そして夜、オンラインで見つけたホテルにチェックインしたら、受付のおじさんも片言の日本語を話し始めた。奥さんが日本人だとか。ところでこのホテルは、通常価格は一泊7万はする随分高級ホテルみたいなのだが(ネット割引で実際の値段は4分の1強)、窓が壊れていて隙間風がとても寒い…。

*追記
それにしても実感したのが、英仏間の駅の清潔度の違いで、地下鉄駅の清潔度の違いは写真ではたぶん再現不可能(それになにより、においが違う)。かつ、パリの北駅(Gare de Nord)を圧倒するSt Pancrass駅のきれいさである。

パリ北駅のユーロスター待合室からの風景


こちらはSt. Pancrass

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