2011年3月2日水曜日

Karl-Marx BuchhandlungとKarl-Marx Allee

ベルリンへの滞在はこれで三回目で、一回目は2002年の7月に一ヶ月間旧西独地域の住宅地にあるアパートを借りて3週間過ごした。夕方まで外務省アーカイブに通い、週二回夜6時から9時までゲーテインスティテュートの夜間コースを受講してドイツ語を勉強した。体力的には結構大変で、3週間居た割にはあまり街を探索する元気がなかったのが残念。

今回も3日間の滞在なので特に街を探索する時間はないのだが、せっかくだから、アーカイブが終わってから、昔見て感銘を受けた映画『善き人のためのソナタ』のラストシーンに出てくる本屋が現実にあるなら行ってみたいと思った。

エンディング(ネタばれ)

それで、YouTubeにアップされているラストシーンを見ると(著作権的にOKなんだろうか?)、Karl-Marx Buchhandlungと書店の名前が見える。映画のためだけに装飾を付けたとも思えないで、この店名で検索してみると、実際に行ってみました、というブログも出てくる。住所も出てきたので、早速行ってみた。

住所はKarl-Marx Alleeの78番地で、地図で見るとAlexanderplatzから歩いて行けそうな感じなので、アーカイブからとことこ歩いてみた。すると、このKark-Marx Alleeというのはなかなかの大通りで、78番地には遥かかなたで着きそうにない。それどころか、しばらく行くと、なんというか随分仰々しいファサードを構えたシンメトリーな建物群に行きあたった。なんだろうなあ、と思っているとマルクス像と、その近くに英語と独語による案内板があった。



それによると、このKarl-Marx Alleeというのはヨーロッパで最大級の建築モニュメントで、地下鉄にして三駅分の大通りを挟むアパートおよびその地上階部分の装飾が旧東独時代で建築されたのだと言う。Wikipediaのドイツ語版には結構詳しい説明があり、この映画だけでなく『グッバイ!レーニン』にも登場した、東独のプロパガンダと芸術を担った重要で有名な歴史的場なだとか。うーん、全然知らなかった…。

Karl-Marx Alleeの建築モニュメントの始点。この先、延々同じような建物が続く。
もうちょっときちんとした写真を取ればよかった…

たぶん、Alexanderplatzから30分くらい歩いて、ようやく78番地に到着。確かに映画と同じKarl-Marx Buchhandlungの文字が。しかし、ガラス越しに見える本棚に本がない。人はいるみたいだが、どう見ても本屋としてはつぶれて、その後に別の何かがオフィスとして使用しているようだった。

この本屋のところにも案内板があり、それによると2008年に本屋は閉店になったとのこと。しかし、この本屋の設計と通り全体における配置はこのKarl-Marx Alleeを設計した建築家にとっても大きな意味をもつものだったそうで、本屋の後にはベルリン建築協会が入っている。

今のKarl-Marx Buchhandlung

それにしても、映画では、主人公は郵便配達の途中でこの書店の前を通りがかり、一回通り過ぎたポスターの前に戻ってくるが、この動きは、現地に行くと実は不自然なことがわかる。なぜなら、この建物を少し横から取ると次のような感じだからである。


いまだに旧東ベルリンだった場所には、その時代を過ごした染みが残っていて、そのような歴史的な場所にあふれたベルリンはたまらなく刺激的である。

ただ、丸一日アーカイブワークした後、さらに随分歩き回ったので、体力的にはかなりつらかった…。

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