先ほど日本向けの郵便を出さなければならなかったので、研究所の最寄りの郵便局に行ってきた。初めてではないだが、フランスのとの違いが非常に興味深かった。
まず共通点として、どっちも結構待たなければならない。理由はおんなじで、まずもって窓口で働いている人の数が少ない。そして多くのお客は郵便ではなく貯金関係で来ている。日本にも郵貯があるが、ヨーロッパの場合、手数料などの関係で多くの人が郵便局の口座を利用している。フランスだと、口座を作るのも維持もほとんどタダじゃなかったろうか。タダではなくても、一般の銀行よりも安いのは間違いない。カードを持つと便利だがその分手数料がかかるので、お金に余裕のない人は、引き下ろしも預け入れも窓口に並んで行う。だから、日本よりも郵便局に来る人は多い。
フランスは、昔は郵便も貯金もおんなじ窓口だったから、一回行くと30分はかかるのを覚悟したものだったが、最近このあたりは改革されて、この二つは完全に窓口が分けられた。
さて、興味深い違いなのだが、同じく順番を待っていることには変わりないが、フランスの場合、列を作ってひたすら待つ。ところが、イタリアの(特に研究所の最寄りのところの)場合、列は作らない。みんなバラバラで好きなところで待っている。その代わり、扉を開けて中に入ってきたときに、必ず「最後に待っている人は誰?」と聞くのである。自分の前の人が誰かを確認すれば、その人が終わったら次に窓口に行けばよい。これはこれで、合理的なように思う。なぜなら、まず先に中に入って、宛先とか封筒の口を閉じることとか、そういうことをしながら順番を待っていることができるからである。
あと、このシステムは、必ず誰かが誰かと話をすることを要求されるので、おしゃべりなイタリア人にはぴったりである。たぶん知り合いでもないのに、客同士よくしゃべる。フランスでも初対面同士であっても列で並んでいるときに、何かの拍子でしゃべりだすことはあるが、そこまでではない。普段なかなかイタリア語でしゃべる機会がない自分にも、よいイタリア語の訓練にもなる。実際、待っていると、日本語で書いた宛先を見て、おじさんが「これ読めるの?」と聞いていた(実際にはもっとしゃべっているのだが、理解したのはその程度)。
それと、自分は書留にしたかったから窓口に並んでいたわけだが、先に貯金の窓口が空いたので、周りの人が「次あんただよ」と言ってくれた。でも、貯金の窓口では書留の用紙がもらえないので、「いや郵便の方に用事がある」と言ったら、別に並んでいたおばさんが、「彼は書留で並んでいるからあっちが空かないとダメなのよ」という旨のことを周りの人たちにしゃべり、周りのおじ(い)さん、おば(あ)さんは、ああなるほどー、と納得していた。
という風にきちんと状況を把握する能力(Non-Verbal Communication)もイタリア人ははるかに上である。基本的にフランス人はNon-Verbal Communication能力がなさすぎると思うのだが、いつかフランス人にこのことを聞いてみたいと思う。
*追記
もちろん、言うまでもないことだが、上の話は比較でも何でもなく、単なる印象論にすぎない。大体比較となる郵便局の基準が違いすぎる。でも、やっぱり、違いはあるんじゃないかな―、という気はするんです。
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